腰痛で整形外科に行って「椎間板ヘルニア」と言われた人は多いかと思います。
椎間板ヘルニアとは・・・
腰の背骨と背骨の間に「椎間板(ついかんばん)」といわれるクッションの働きをするゴム板のような柔らかい組織があり、その椎間板があるおかげで、骨と骨が傷つかずに身体をあらゆる方向にスムーズに動かすことができます。
しかし、腰に負担をかける日常の生活などで、その椎間板に負担がかかりますと、椎間板が押しつぶされて外へ飛び出してしまい、背骨の横にある神経を圧迫され、腰痛や坐骨神経痛(腰~足にかけての痛み、足のしびれなど)を起こします。
これが、一般的にいわれている椎間板ヘルニアです。
椎間板ヘルニアがあるかどうかは、MRIの画像検査でわかります。
ちなみに、レントゲンだけで椎間板ヘルニアと診断された場合、それは椎間板ヘルニアではありませんのでご注意ください(レントゲンでは椎間板は画像に写らないため)。
ところが・・・
このMRIの画像検査で「椎間板の異常」が見つかった人のうち、椎間板ヘルニアが原因の腰痛は非常に少ないのが現状です(わずか3%といわれています)。
つまり、椎間板ヘルニアが腰痛の原因では必ずしもないということなのです!
ではなぜ、そういわれ続けているのでしょうか・・・?
世界の腰痛医学の歴史の中で「椎間板こそが腰痛の原因」と誰もが信じ、医学の教科書、多くの本にそう書かれているからです。
また、MRIの画像検査の普及により「椎間板の異常」がわかるようになり、腰痛の原因が椎間板であることの考えがさらに上がったからです。
現在いわれている椎間板ヘルニアは・・・
椎間板の中にある「髄核(ずいかく)」というものが「TNFα(ティエヌエフアルファ)」といわれる炎症物質が炎症を起こすため、または、その他の炎症物質を出すために椎間板ヘルニアが起こっていることが腰痛の研究でわかり、すなわち、椎間板が飛び出て痛みが出ているのではなく、炎症物質が炎症を起こして痛みが出ているということです。
日本整形外科学会では「腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン 椎間板ヘルニアの診断基準」というものが、椎間板ヘルニアの診断でよく使われています。
その診断基準は以下になります。
1.腰~足にかけての痛みがある(主に片側、または片側に優位)
2.安静の時にも症状がある
3.あおむけの状態で両足を伸ばし、そのまま片足を持ち上げて挙げていくと70°以下で脚の痛みが増強する(ただし高齢者では絶対的な条件ではない) ⇒ SLRテスト
4.MRI画像検査で椎間板が飛び出ている所見があり(主に背骨の下にある腰椎の4番と5番の間の椎間板、腰椎の5番と仙椎の1番の間の椎間板に多く発症する)、脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)を合併していない
5.症状と画像の所見が一致している
SLRテスト(下肢伸展挙上テスト)
この1~5の全ての項目が当てはまった場合、本当の意味での椎間板ヘルニアといえるでしょう。
15年以上前は、「椎間板ヘルニアは手術しかない」といわれてきた時代がありました。
椎間板ヘルニアで手術になるのは、10~30%になります。
残りの70~90%は、手術なしで症状が軽快するので、ほとんどが手術は必要ないということになります。
また、「椎間板ヘルニアは治らない」ともいわれた時代がありましたが、MRIの画像検査の普及により、外に飛び出た椎間板が元に戻るということが確認されています。
したがって、症状も軽減され椎間板も元に戻るということになります。
当院では、まず本当に椎間板ヘルニアが原因で起こっている腰痛・坐骨神経痛かどうかを確認をします!
なぜなら、仙腸関節(せんちょうかんせつ)の機能の異常、腰やお尻まわりの筋肉のトリガーポイント(頑固なこり)などが腰痛・坐骨神経痛の原因となっている可能性もあるからです。
椎間板ヘルニアが原因で起こっている腰痛・坐骨神経痛でも、炎症を軽減する目的で施術を行います。
・ トリガーポイントほぐし
・ AKA-IM療法(関節包内調整)
・ 鍼施術(はりせじゅつ)
・ 椎間板ヘルニア体操法
・ キネシオテーピング
などが当院の施術内容で、その患者様に合った施術をご提供させて頂きますので、椎間板ヘルニアでお悩みの方は、まずは当院までお気軽にお問い合わせください。