慢性腰痛とは、一般的に3ヶ月以上続いている腰痛のことをいいます。
日本人の約4人に1人が慢性腰痛(腰痛持ち)があるといわれ、その中で腰痛の85%以上はレントゲンなどの画像検査で異常がない腰痛になります。
症状は、腰痛がずっと続いている、あるいは、よくなったり悪くなったりを繰り返すことなどがあります。
慢性腰痛の考えられる原因は主に以下の3つになります。
① 筋肉、関節、椎間板(ついかんばん)、神経、骨の運動器の異常
② 内臓、感染、炎症、腫瘍(しゅよう)などの内科的な異常
③ ストレス(心理・社会的因子)
②は確率は少ないですが、当院では適応外になります。
重篤になることもありますので、病院やクリニックでの通院が必要です。
1つずつ特徴をみていきましょう。
① 筋肉、関節、椎間板、神経、骨の運動器の異常
・ 腰まわりの筋肉、背骨の関節(椎間関節)、仙腸関節(せんちょうかんせつ)、腰椎といわれる背骨と背骨の間にある椎間板、背骨を構成している骨 の運動器の異常が多い
・ 一般的には、腰を使えば使うほど痛くなることが多い
・ 腰を前かがみ、反ったり、捻ったりなどの動作で痛くなることが多い
② 内臓、感染、炎症、腫瘍などの内科的な異常
・ 基本的には腰の動作と関係なく痛みがあり、安静、寝ている時(寝返りではない)に痛くなることが多い
・ 腰痛以外に他の症状がでる場合が多い(発熱、腹痛など)
・ 主に後腹膜臓器(こうふくまくぞうき)といわれる体の後ろ側に付いている内臓、血管などが原因のことがある
③ ストレス(心理・社会的因子)
・ 近年、腰痛の研究でいわれるようになっている(テレビやメディアでもいわれている)
・ 脳の機能に異常があることが近年わかってきている(完全にはまだ証明されていない)
・①の原因が③の異常で腰痛が起こったり、または腰痛が強くなることも指摘されている
・ ストレスチェック表という評価法がありますが、ストレスは個人の感覚であるため、評価することは非常に難しい
慢性腰痛は、ストレス(心理・社会的因子)が原因ということが注目されています。
本来痛みというのは、痛みを感じとるセンサーが毛細血管(もうさいけっかん)といわれる網目状(あみめじょう)の細い血管の血流が悪くなって、酸素が不足することにより刺激されます。
刺激された痛みセンサーは、痛み物質というものをだし、神経というケーブルを介して脳に伝わり「痛い」と感じます。
痛みを感じると、脳から痛みを抑える信号が出てきて、痛みを抑えていくのが正常な人間の体です。
ところが、慢性腰痛に関わらず痛みがずっと続いている場合、脳の痛みを抑える機能に何らかの異常があることが近年わかってきました。
その異常で考えられることは主に以下の3つになります。
・ 脳のDLPFC(背外前頭前野)の血流の低下
・ 脳内のモルヒネ物質(鎮痛物質)の低下
・ ドーパミン(やる気ホルモン)システムの低下
この3つから考えられることは、恐怖や不安やうつに対するストレスが関与していることがわかっています。
当院では、慢性腰痛の状態をしっかり評価し、原因をつきとめてから治療を行っております。
そして、施術だけでなく慢性腰痛に大事な運動法・体操法や日常生活の指導もさせて頂きます。
慢性腰痛にお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。